安全な航行に欠かせない「航路標識ブイ」、

海上活動の計画に欠かせない「観測ブイ」、

海の上で必要とされてきたこと...



厳しい海象に耐え、 同じ場所で 確実に機能する

「海上ブイ」は 海の重要な インフラストラクチャー

会社情報  

Brand Story

 世界の中でも台風が集中する日本の海域、世界3大波濤を擁する日本海、
世界一速い海流と呼ばれる黒潮、世界3大潮流を擁する瀬戸内海...

そんな、厳しい海上環境に対峙してきたことで、
ブイ専門メーカーとしての「貴重な経験」が培われ、
「ブイの技術」は磨かれてきました。

 「航路標識」や「海象データ」が必要になったとき、
様々な現場条件に対応できる「ブイ専門メーカーの技術」が必要とされ、
それらの現場経験によって、さらにゼニライトブイは成長していきます。

海の灯

ゼニライト
誕生

灯浮標ゼニライト1型を開発

 1963年、東京オリンピックの前年、海上で工事区域を示すのに使われていたのは赤い旗を付けた竹竿でした。その欠点は、夜の暗い海上では見失いやすいことでした。海上での事故、特に夜間の事故は工事へ悪影響が及ぶだけでなく大変危険です。銭屋アルミニウムの創業者、竹安猪三郎は、外の明るさに応じて自動で点灯する日光弁と自動点滅機能をもつ灯器を開発し、これをアルミパイプの先端に設置、点滅テスト、浮力テスト、波浪テストを繰り返し、試行錯誤の末に灯浮標1型を開発しました。竹安猪三郎により、海上工事の安全を叫びながら全国各地の現場を訪ね歩く日々が続きました。

 軽くて錆びないアルミ製で、どこでも入手できる乾電池を使い、暗くなると自動的に点灯し、正確な周期で点滅する灯浮標1型は、全国の海上工事現場で徐々に普及していきました。

 そして、銭屋アルミニウムで作ったライトがつくブイは、ゼニライトと呼ばれるようになり、ゼニライトの商標を得て、1972年に(株)ゼニライトブイを発足させました。

急潮流

潮流との戦い

急潮流でも直立して沈まないブイ

 当初、海洋ブイは潮流との戦いでした。世界で最も速い海流は黒潮で4ノット程度ですが、日本沿岸にはさらに速い潮流の海域があります。銭屋アルミは1964年から急潮流ブイに関する研究を開始し、「潮流が速くても海中に引き込まれず傾かないブイ」の要望に向けて、5ノットの潮流でも直立して浮いているブイを開発しました。この技術は、世界10カ国の特許を取得するに至り、日本全国、そして世界のあらゆる方面に進出する糸口になりました。

 日本の三大急潮流は瀬戸内海に集中しています。瀬戸内海は干満差が大きく、複雑な地形と狭い水道で構成されているため、流れの速い潮流が生まれやすいのです。1968年、瀬戸内海では本州四国連絡橋の建設工事が本格化し、急潮流ブイの仕様は次第に高い水準となりました。本州四国連絡橋が完成するまでには、大小400基のブイが使用され、明石海況連絡橋の現場では潮流8~9ノット、水深50m、離出距離50m以内という、他に例を見ない厳しい条件により、急潮流ブイの技術は磨かれていきました。

高波浪

波浪との戦い

高波浪海域でも流出しないブイ

 島国である日本周辺の海域には、季節風や大型台風が通過する影響により高波浪となる海域が数多くあります。また、台風の通過は一時的であるのに対して、日本海側では冬の強い季節風の影響で時化が長期間続くため、浮体施設へのダメージは大きくなります。世界3大波濤のひとつ「留萌」も日本海側にあります。

 千葉県銚子沖や、北海道の留萌などは浅海でも10m以上の波浪が押し寄せる海域で、どんなブイを入れても破損し流出事故で打ちのめされてきた歴史がありました。その苦い経験をもとに、ゼニライトブイでは改良を重ね、1971年に耐波浪型ブイを開発、最大で波高15mにも耐える高波浪海域用ブイも開発しました。1990年に日本海大和堆(水深300m)で気象観測を1年間継続して行った観測ブイも耐波浪型ブイです。

 台風の直撃はもちろん、どんな高波浪地帯でも耐えるブイとして耐波浪型ブイシリーズは全国に普及し、現在では沖合の外洋向け観測ブイのプラットフォームとしても高い評価を得ております。

データ

遠隔海洋観測

遠隔で海洋環境を観測するブイ

 1968年、国家の総力をかけた日本海の調査研究が始まり、そこで国産初の観測ブイが錢屋アルミニウム製作所により製造されました。1968年に予備実験機、1969年に実用型である1号機を開発し日本海中央部(水深1680m)に設置されました。続いて1970年に電源容量を2か月分に増やした2号機が、同じく日本海で運用されました。その2号機は海洋観測ブイの歴史を伝える生き証人、まさに「レジェンド」とも言える存在であり、現在もゼニライトブイ本社の入り口に当時の姿のまま置かれています。

 その後も観測ブイ技術は、搭載機器や海上活動の目的、設置環境等に応じて、十分に観測目的を果たせるよう、円盤型、円筒型、スパー型、小型タイプのブイなど、技術開発と共に多様化されていきました。

 厳しい海象条件のもとで、高精度で高額な観測機器が長期安定して機能するためにも、信頼できるプラットフォームとしてブイは重要な役割を果たしています。

新技術

新たな挑戦

上下動や振れ回りがないスパー型ブイ

 1973年、最初のスパー型ブイの開発は、海面上10mの風速計を10cm以内の動揺に制限させるという、極めて厳しい設計条件でした。そのような、現場で要求される多様な条件に応じて、ゼニライトブイは試行錯誤を重ねながら、スパーブイの技術を培ってきました。

 また、津波にも強いスパーブイの実証として、東日本大震災で津波の襲来を受けた、仙台空港南東沖のスパーブイ、宮城県の女川原発沖のスパーブイは、流出することなくブイとしての機能を維持し続けました。

新技術への限りなき挑戦

 その後も、外洋波浪観測用円盤ブイ、ミサイル標的用円盤ブイ、計測部昇降式円盤ブイ、波力発電装置向け波高計ブイ、浮漁礁ブイ、海洋牧場向け音響給餌ブイ、スパーブイ型ボーリング櫓、油膜観測ブイ、ダム用観測ブイ等、厳しい海洋環境や特殊な用途に向けた観測ブイの開発も行ってきました。

 これからもブイの技術を通して、様々なお客様の海上活動をサポートできるよう、ゼニライトブイは挑戦し続けます。

History of Zeni Lite Buoy


 (株)錢屋アルミニウム製作所 でアルミ製浮標灯「ゼニライト」が開発されてから、
(株)ゼニライトブイ設立後、海の現場に貢献してきた、ゼニライトの歴史はこちら